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理解を深めるために
単純倒置と複合倒置
「改まった言い方」の疑問文では主語と動詞を倒置する。ただし、主語と動詞をそのまま倒置できるのは主語が代名詞である場合に限られる。このような倒置の仕方を単純倒置と呼ぶ。
例:Il est étudiant ?
⇒ Est-il étudiant ?
これに対して主語が名詞の場合は、主語の性・数に応じた代名詞で受け直して、動詞と倒置する。代名詞が指す主語は動詞-代名詞の前に置いてあらかじめ示しておく。これを複合倒置と呼んでいる。
例1:Paul est étudiant ?
→ × Est-Paul étudiant?
○ Paul est-il étudiant ?
例2:Donald et Vladimir parlent français ?
→ × Parlent-Donald et Vladimir français ?
○ Donald et Vladimir parlent-ils français ?
否定疑問文とその答え方
フランス語では、よく否定疑問文を用いる。以下のようなニュアンスを表現することができる。
A ある意見に対する驚き
例:Tu n'aimes pas le chocolat ?
チョコレートが好きではないのですか?
B 確認
例:Vous ne restez pas avec nous?
私たちと一緒に残らないのですね?
なお、否定疑問文で聞かれたことに対して否定的な返事をする場合は、「non」を使う。
例:- Tu n'aimes pas le chocolat ?
チョコレートが好きではないのですか?
- Non. (Je n'aime pas le chocolat.)
はい。(チョコレートは好きではありません。)
肯定的な返事をする場合は、普通の疑問文で聞かれた時のように「oui」と言うことはできない。代わりに「si」を使う。
例:-Vous ne restez pas avec nous?
私たちと一緒に残らないのですね?
- Si, Je reste avec vous.
いいえ、あなたたちと一緒に残ります。
この答え方に慣れるために、「non」や「si」の後に文章全体を続けて言うようにするとよい。
例:- Non, je n'aime pas le chocolat.
はい、チョコレートは好きではありません。
- Si, je reste avec vous.
いいえ、あなたたちと一緒に残ります。
否定疑問文で質問をする場合、「Est-ce que」で始めるのは不自然である。
例:(x) Est-ce que tu n’aimes pas le chocolat?
(O) Tu n'aimes pas le chocolat?