音声のオンライン再生
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理解を深めるために
目的補語人称代名詞に関する補足
A 複合時制の場合の目的補語人称代名詞の位置
本文で見たように、補語人称代名詞は原則として動詞の前に置かれる。
ただし、助動詞を使った表現や、命令形の場合は語順に注意が必要である。
・複合過去や大過去のような複合時制と共に用いられる場合には、補語人称代名詞は助動詞avoir の前に置かれる。
*なお、助動詞avoirを使う場合は過去分詞を主語と性数一致させることはしないが、複合時制において直接目的補語人称代名詞が過去分詞の前に置かれる場合には、直接目的補語人称代名詞と過去分詞が性数一致する。
・avoirとêtre以外の助動詞(pouvoir, vouloir, devoir, allerなど)とともに用いられる場合には、補語人称代名詞は助動詞の後、不定詞の前に置かれる。
・肯定命令文では、補語人称代名詞は動詞に後ろに置かれ、「‐(trait d'union) 」で結ぶ。
一方、否定命令文では、補語人称代名詞は、原則通り動詞の前に置かれる。
以上をまとめると次の表のようになる。
B 直接目的補語人称代名詞と間接目的補語人称代名詞がともに動詞の前に置かれるときの語順
直接目的補語人称代名詞と間接目的補語人称代名詞がともに動詞の前に置かれるときは、間接目的語の人称によって2通りの語順に分かれる。間接目的語が1人称、2人称の場合は間接目的補語人称代名詞、直接目的補語人称代名詞の順、間接目的語が3人称の場合はその逆の順になる。
Je te donne ce livre.
→ Je te le donne.
あなたにこの本をあげます。
Je te donne cette clé.
→ Je te la donne.
あなたにこの鍵をあげます。
Je te donne ces livres.
→ Je te les donne.
あなたにこれらの本をあげます。
Je lui donne ce stylo.
→ Je le lui donne.
彼(彼女)にこの本をあげます。
Je lui donne cette clé.
→ Je la lui donne.
彼(彼女)にこの鍵をあげます。
Je lui donne ces livres.
→ Je les lui donne.
彼(彼女)にこれらの本をあげます。
C 直接目的補語人称代名詞を使わない場合
直接目的補語人称代名詞で置き換えることができるのは、あくまでも特定化された名詞である。よって特定化されていない名詞(不定冠詞や部分冠詞のついた名詞)は置き換えることができず、以下のように他の代名詞が用いられる。
1. 一般化された名詞は ça を使う
定冠詞によって特定化されているのではなく、一般化されている名詞やものごとを置き換える場合 はçaを使うので注意。(詳しくは第7課参照)
例えば、動詞aimerの目的補語として、好きなものごとを一般化して示す役割のある定冠詞付きの名詞であらわす場合、それを置き換える代名詞としては3人称のle, la, lesではなくçaを用いるか、代名詞を省略するのが普通である。
例: Tu aimes le chocolat ?
チョコレートは好き?
→ × Oui, je l'aime.
→ 〇 Oui, j'aime beaucoup ça. / Oui, j'aime beaucoup.
―うん、大好きだよ。
※ ただし動物の場合は、çaは用いず、人と同じように3人称の le, la, les を用いる。
例:Tu aimes les chiens ? → ○ Oui, je les aime. 私は犬が好きです。
2.非特定の名詞は中性代名詞 en を使う
直接目的補語となっている名詞が非特定の場合(=不定冠詞、部分冠詞、数詞、数量副詞などの数量表現がついている場合)は、直接目的補語語代名詞ではなく中性代名詞 en を用いる。詳しくは第16課を参照。
例:Tu prends du café?
― Oui, j’en prends.
コーヒー飲む?
― うん、飲むよ。
Tu as un stylo ?
― Oui, j’en ai un.
ペン持ってる ?
― うん、(1本)持ってるよ。
D 間接目的補語人称代名詞を使わない場合
1. 「à」+場所をあらわす名詞
この場合のà+名詞は、場所に関する状況補語であり、間接目的補語ではない。したがって置き換える場合に間接目的補語代名詞は使えない。代わりに中性代名詞 y を使う。
中性代名詞 y について詳しくは第16課を参照。
例:Tu vas à la banque ?
―Oui, j’y vais.
銀行に行くの?
―うん、(そこに)行くよ。
2.「à」が~についてという意味で使われているとき
penser à ~(~について考える)のように、à ~が「~について」の意味で使われるときにも間接目的補語人称代名詞で置き換えることはできない。代わりに中性代名詞 y を使う。
例:Tu penses à ton avenir ?
自分の将来について考えているの?
― Oui, j’y pense.
― うん、(それについて)考えているよ。
EXERCICE
代名動詞を使った以下の文章の下線が引かれた再帰代名詞が直接目的補語か間接目的補語かを( )内に書き、文章を訳しなさい。
1. Nous nous téléphonons.
( 目的補語)
2. Elles se promènent sur les quais.
( 目的補語)
3. Les enfants se lavent.
( 目的補語)
4. Les enfants se lavent les mains.
( 目的補語)
5. Ils s’habillent rapidement.
( 目的補語)
6. Elles s’écrivent pendant des années.
( 目的補語)
7. Catherine se lève à 6 heures.
( 目的補語)
8. Vous vous brossez les dents.
( 目的補語)
9. Catherine et sa mère se parlent sur Skype.
( 目的補語)
10. Nous nous couchons très tard.
( 目的補語)